SGMOのテクノロジー

ソフトウェア品質技術では、ソニーグループで開発するさまざまな製品やサービスの開発において、ソフトウェアの品質を向上させ、お客さまの期待を超えるソニーの品質づくりを実現しています。
品質リスク分析の技術、AIを含むシステムの品質保証など、ソフトウェア品質技術の業界をリードし、従来にない新しい技術開発や取り組みを通して、ソニーの革新的な製品開発・サービス開発を支えています。

学習したデータやシステムの利用環境によって動作結果が変わる、AIを含む新世代システムの品質づくりのため、従来のソフトウェア開発技術を超えるチャレンジと技術領域の開拓を進めています。システム全体をシステマチックにリスク分析することで、ソフトウェアを作る前に品質を高めることができる独自の品質技術を開発。この技術をベースにシステムの堅牢性を確保する学習データと利用環境の品質設計、多様な文化に対応できるAI倫理の適合、ソフトウェア検証/評価の技法の再定義などの従来にない品質技術を生み出し、ソニーの新世代システムの品質づくりを支えています。

カメラ、テレビ、医療機器などのソニー製品や、クラウドシステムなどのソリューションに対しソニー品質を満たしていることを確認するため、ソフトウェアテスト計画、テスト設計/実施、品質分析までの総合的なテストオペレーションを行っています。
ロボティクスやAIを活用したテスト自動化技術を、多岐にわたる製品やサービスへ展開し、ソニーグループの”ものづくり”、”ことづくり”を下支えしています。

論理設計とは、半導体の大規模集積回路（LSI）やFPGA（書き換え可能なLSI）の設計で必要となる技術です。ソニーは多種多様なLSIを開発しており、研究開発分野においてはFPGAがよく利用されています。
SGMOでは、画像処理、センシングデバイス、GNSS（衛星測位システム）、車載用のLSI設計のほか、イメージセンサーやOLED マイクロディスプレイなどの評価環境システム、次世代プレイステーション開発をはじめ、さまざまな研究開発分野でのFPGA設計を担っています。

「ものづくり」で3Dデータを活用した技術には、
・3DCG（3Dコンピューターグラフィック）
・3DCAD（3D設計支援システムによる筐体・機構の設計）
・3Dスキャン（立体物から3Dデータを作成）
・3D造形（3Dプリンターを用いた試作部品やモック製作）
があります。これらを開発過程で活用することで、製品の感性/機能的価値を高めています。
また、3DCGバーチャルモデル、モックアップ試作、手造り試作に必要な先進設備/機材を自社に整備し、社外向けのサービスも行っています。

⇒　詳しくは「ものづくりサービス」へ

スマートフォンやドライブレコーダーなど、小型カメラを実現する光学部品は今や生活に不可欠なものとなっています。また、距離を測ったり、ものを認識するセンシング領域などへの多様化が進んでいます。
高精細かつ高性能が要求される光学デバイス作成や光学モジュール化を、設計から評価まで一気通貫で実現。小型・軽量化、複雑かつ特殊なレンズも実現可能で、魅力ある商品の開発、設計に貢献しています。
自社開発を含む光学測定、メカ測定機器を数多くそろえており、他社にはない高精度な性能評価や品質管理を行っています。

2050年までに環境負荷ゼロをめざすソニーグループの環境計画「Road to Zero」。その達成に向け、ソニーグループ各社と連携し、環境負荷低減に向けた製品開発を行っています。
・SORPRAS™など再生樹脂材料の製品への活用
・環境に配慮した素材の用途開発
・製品用塗料の化学物質使用量削減
・オリジナルブレンドマテリアルの活用
製品の試作だけでなく、材料の分析・解析、プロセス開発、評価を一貫して行い、ソニーグループの環境負荷ゼロへの取り組みに貢献しています。

調整検査技術とは、製品が持っている性能を引き出し、製品仕様に合わせてデバイスごとのバラつきを補正・調整する技術と、製品の出荷品質を一定に保つための検査技術です。
調整や検査を高いレベルで実現するために、イメージセンサーや液晶パネルなど個々のデバイスだけでなく、ハードウェア/ソフトウェアに求められる仕様・性能を深く理解した上で調整検査仕様を策定し、製品/検査ソフトウェアや製造ラインに組み込みます。高い製品品質の実現に欠かせない、SGMOならではの技術です。

カメラ制御技術とは、カメラに搭載する”機能”と”性能”をカタチにするソフトウェア技術で、カメラ製品を支える基幹技術です。デバイスを制御するソフトウェアにより、イメージセンサーや画像処理エンジンなどを使いこなして性能を引き出す技術と、ソフトウェアのアルゴリズムにより、フォーカス・手振れ補正・被写体認識などを自動制御する技術があります。このデバイス性能とアルゴリズムを掛け合わせてチューニングし、お客さまにカメラの楽しさを提供しています。

空間音響技術は、心理音響に基づき所望の音の知覚を実現する技術（2chステレオ拡張に基づくマルチチャンネル音響等）と、物理音響に基づき所望の音場の物理量をなるべく損なわずに実現する技術です。
ソニーはコンテンツ制作から再生まで、高度な立体音響技術により次世代の音体験を推進しています。
SGMOでは、ソニーが推進する立体的な音場を実現する360 Reality Audioの各種プラットフォーム向け再生ソフトウェアの実装から、ヘッドホンや車載への技術組み込みまでを担い、またゲーム制作の領域ではサウンドクリエイター向けのコンセプト設計に貢献しています。

画質設計とは「画作り」のこと。解像度、輝度、色再現性、階調特性といった多くの要素を、表現意図などに合わせて最適なバランスをとり、 イメージ通りの画像に仕上げる技術です。スマートフォンのカメラをはじめ、多くの商品にカメラが搭載されており、物体の認識などにも使われています。
レンズやイメージセンサーなどの性能と、最先端のAI・信号処理とを組み合わせることでソニーのイメージセンサーの特性を最大限に引き出し、よりよいカメラの画質を日々追求し続けています。

音響技術は、ヘッドホン、ホームオーディオなど、あらゆるソニー製品の重要な構成要素技術です。
"よい音"、"新たな音体験"の実現に向け、音の入口から出口まで音響、電気、メカ、ソフトの総合力で音響技術の開発、音響設計から製品・デバイスの量産導入まで幅広く対応。また、それらを実現するためのツールや信号処理開発、測定・解析におけることづくり（ユーザーのやりたいことを実現するための製品・サービスの開発）も担っています。

無線通信技術とは、パソコンとその周辺機器、スマートフォンなどの機器同士を主に電波を利用して相互の通信を可能にする技術です。
スマートフォンによるコミュニケーション、音楽や映像データのストリーミング、IoT機器によるセンシング/アシストなどが安全かつ快適に利用できるよう、SGMOではさまざまな無線の特性を踏まえた品質確保に取り組んでいます。
さらには5GやWiFi6E、ミリ波など、進化を続ける新しい無線通信技術を追求し、技術導入や規格準拠、性能向上の検証といったコンセプト設計～試作設計～量産導入までを一貫して対応しています。

製品の高性能化・進化とともに、電源の役割も多様化しています。
例えば、消費電力を極力抑え環境に貢献する高効率電源や、TVの高画質化にともないLED光源の多分割化対応、パーソナルモビリティーやロボットなど大電力の電動化製品に使用する充電器など、電源への要求は高度化するばかりです。
SGMOでは、BRAVIA®、ゲーミングモニター、プロフェッショナル機器などソニー製品の電源や、社外のお客さまからの依頼による電源・充電器の設計も行っています。
われわれが開発した電源・充電器を使用する製品の付加価値創出をめざし、日々技術力を磨いています。

⇒　詳しくは「ものづくりサービス/カスタム電源・充電器」へ

ロボット開発に重要な、機械（メカニズム）、電気・電子（アクチュエーター、センサー）、情報（マイコン、コンピューター）、制御（シーケンス）の4分野が融合した技術です。SGMOでは、さまざまな伝達機構を用いた駆動系の設計や、コイルから独自開発したアクチュエーター等を活用して現在のロボット製品を実現します。またソフトウェア技術とマイコンを駆使した要素技術検討も行っています。ロボット製品は、AI技術はもちろん、省電力化、静音化に向けた研究・開発が急務となっており、先行開発を進めています。

機構（メカ）設計とは製品の形や製品内部の部品構造などを設計する技術です。強度・耐久性とデザインの両立、使いやすさ、また量産における"つくりやすさ"等を追求し、高密度技術、放熱技術、防水・防塵技術などのノウハウを盛り込みながら、シミュレーションツールを活用して高い商品性（機能・性能・品位）を有する製品をスピーディに具現化。
SGMOではカメラ、ヘッドホン、TVなど、大小さまざまな製品のメカ設計を担っており、企画・デザイン要求に沿った構造設計・筐体（外装）設計を行っています。

包装設計とは輸送時に発生する振動／落下などから製品を保護する技術。また包装は最初にお客さまの目に触れる部分でもあるため、視認性やわかりやすさも重要なポイントです。近年は環境に配慮した"脱プラスチック"包装が注目される中、国ごとに異なり日々変化する環境対応の法規制に対応することも大切な使命です。
SGMOでは、ソニー製品の大半の包装設計を担当。個装箱をはじめ、緩衝材、保護袋、ラベル類、箱の印刷内容まで、製品の包装に関するすべての設計を担っています。

試作前に、コンピューター上でのさまざまなシミュレーションにより、工学的な設計問題を解決する技術。これを商品設計の初期段階から活用することで、品質向上やコスト最適化につなげています。
また、生産/物流領域のシミュレーション技術（製品の組立、生産工程、ロボット設備）により、仮想世界での生産設計/生産検証を可能とし、商品完成度の向上と量産までのリードタイム削減を両立。
業界最高水準のシミュレーション技術を保有し、さまざまな設計で培った経験・ノウハウや、社内に蓄積されている膨大な設計データをAI活用し、設計の自動化にも挑戦しています。

EMC評価とは、製品が「電磁波を出さないか」「電磁波に耐えられるか」を確認する試験のこと。RF（無線）評価は、無線機能を搭載する製品の無線通信の特性評価や試験を行うことで、これらは各国の法律で技術基準が定められています。SGMOは「ISO/IEC 17025認定試験所およびVCCI登録試験所」を保有し、精度/品質の高い測定結果を得られる環境を整備。高精度CAE解析技術を駆使し、完成度の高いEMC/RF設計を実現しています。
社外向けのサービスも行っています。

⇒　詳しくは「ものづくりサービス/EMC試験・無線試験」へ

クラウドとは、インターネットを通してサーバーなどのITリソースや、アプリケーションソフトウェアなどを利用できるサービス形態のこと。近年、クラウドを用いた製品・サービスの普及が加速しています。
SGMOでは、ソニーグループが手掛けるハードウェアと連携したIoTサービス開発や、360 Reality Audioなどエンタテインメント領域の開発などに携わっています。その他、クリエイターを支援するWebサービスの開発も手掛けています。

生産効率化や品質向上を目的に、生産設備の開発やロボットを導入した生産の自動化を推進。
小型のオーディオデバイス部品やPlayStation®、ブラビア®など、小さいものから大きいものまで、ソニーの多種多様な製品をカタチにするため、生産設備の企画・構想・設計・調達・組立・試運転・量産立上という一貫したステップで設備を開発。新しいアイデアと自動化・ロボティクス技術を融合させ、SGMOの技術により新たな価値創造に挑戦し続けます。
社外向けのサービスも行っています。

⇒　詳しくは「ものづくりサービス/設備設計・生産」へ

生産システムとは、さまざまな製品に対応した生産進捗や生産履歴管理のほか、リアルタイムのデータによって動的に現場を復旧したり、品質維持・向上につなげるための仕組みです。
SGMOでは多種多様な製品を生産しており、製品により取得するデータはさまざま。それらに柔軟に対応するため、クラウドやオンプレミス（自社運営）環境に独自のデータ活用基盤を開発しています。
また、データに合わせた分析基盤も開発しており、製品の特性に応じた分析が可能。これらの取り組みを通して、IoTによる生産の効率化を進めています。

センシングとは音や光、温度などを検知するセンサーを用いて対象物の定量的な情報を取得する技術。
画像処理技術とはカメラで撮影した画像を解析することで良否を判定したり、さまざまな測定を行う技術です。
こうした技術がソニーの生産現場に導入されています。
例えば外観検査に用いられるマシンビジョンは、ソニーの最先端イメージングデバイスや画像処理技術、AI技術の他、定量化技術にSGMO独自のアルゴリズムを搭載。最先端のイメージセンサーを活用したソリューションにより、今まで見えなかったものが”見える”今よりも“よりよく見える”を実現しています。 画像出展：ソニーセミコンダクタソリューションズグループHP

あらゆる電化製品には電子部品がはんだ付けされた実装基板が搭載されています。製品の軽薄短小化、高機能化、高性能化にともない、基板の小型化、高密度化へのニーズもますます高まっており、積層構造で上下基板の間に部品を実装する3D実装や、小型チップ部品を狭隣接で実装する高密度実装により製品の小型化に貢献しています。スマートフォンなどのモバイル機器に使用される0402サイズ、さらに小さな0201や03015サイズの極小部品実装も高品質で実現可能。社外向けのサービスも行っています。

⇒　詳しくは「ものづくりサービス/基板実装」へ