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静電気放電

試験の概要

静電気放電試験(IEC 61000-4-2)を要求する主な規格

CISPR 14-2,CISPR 35,IEC 61000-6-1,IEC 61000-6-2,IEC 60601-1-2

静電気放電試験の目的

人体から直接放電される静電気放電、及び人体から近接している物体への静電気放電(以降ESDと記す)に曝される電気・電子装置(以降、EUTと記す)の耐性を定量的に確認することです。

試験方法

本規格で規定している電圧波形を発生することができる静電気放電試験器(以降ESD試験器と記す)を用いて試験します。

測定時の構成

EUTの導電部位にする静電気放電試験

ESD試験器の放電点をEUTに接触させた状態でESDを印加(接触放電試験)

EUTの非導電部位にする静電気放電試験

ESD試験器の放電点に電圧がかかっている状態とし、それをEUTに近づけていく過程で火花放電が起きるようなオペレーションで印加(気中放電試験)
接触放電試験及び気中放電試験は、 EUTに対して直接印加することから直接放電とも呼ばれています。

EUTの近接した物体に人体からのESDが発生した状況をシミュレートする静電気放電試験

EUTに近接した場所に放電板を設置し、静電ガンを放電板に接触させて静電気を印加(接触放電試験)。
結合板に印加し間接的に印加(放射ノイズをEUTに照射)することから間接放電とも呼ばれています。

合否の判定

合否の判定は規格や製造者によって規定された性能判定基準を基にして行います。

試験レベル

特にクラス区分はなく、適用する規格に試験レベルが規定されています。

試験レベルの目安(IEC 61000-4-2の例)
レベル 接触放電 気中放電
試験電圧 (kV) 試験電圧 (kV)
1 2 2
2 4 4
3 6 8
4 8 15
Xa 特殊 特殊
a) “X”は,任意のレベル(他のレベルより高い若しくは低い、又はその間の値とすることができる。)
規格が定める試験レベル(CISPR 35の例)
印加箇所 接触放電 気中放電
試験電圧 (kV) 試験電圧 (kV)
筐体 ±4 ±2,4,8
注) 間接放電試験のレベルは、接触放電試験レベルを適用する

性能判定基準

静電気放電試験における一般的な性能判定基準例
判定基準 内容
B 試験後に、機器は意図したように動作を続ける必要がある。
機器を意図した方法で使用した場合に製造業者が規定した性能レベル以下への性能低下、または機能喪失は許されない。
この性能レベルは許される性能喪失と言い換えてもよい。
ただし、試験中の性能の低下は許される。実際の動作状態、または蓄積データの変化は許されない。
もし、最小の性能レベル、または許容される性能喪失が製造業者によって規定されていない場合には、製品説明書および製品文書、ならびに機器を意図した方法で使用したときに、使用者が当然期待する性能から、これらのどちらかを導き出してもよい。

試験配置(イメージ)

EUTの導電部及び非導電部に印加する接触・気中放電試験(直接放電)

EUTに対して直接印加することから直接放電とも呼ばれています。

EUTに近接している垂直結合板への接触放電試験 (間接放電)

EUTに対して結合板を介して間接的に印加することから間接放電とも呼ばれています。
間接放電は垂直結合板に対する印加と水平結合板に対する印加の2種類があります。

静電気放電試験が可能な弊社設備

木更津サイト 幸田サイト
サイト寸法
(奥行×幅×高さ) [m]
10.0 × 7.0 × 3.0 8.0 × 6.0 × 2.7
シールド性能
電界 150kHz~30MHz
平面波 30MHz~1GHz
100dB以上 100dB以上
100dB以上 100dB以上
最大電源供給能力 単相 4kVA 単相 2kVA
主な対応規格 設備、対応範囲
IEC 61000-4-2
  • 試験電圧:15kV
  • 接触放電/気中放電
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