伝導性無線周波電磁界
試験の概要
伝導性無線周波数電磁界試験(IEC 61000-4-6)を要求する主な規格
CISPR 14-2,CISPR 35,IEC 61000-6-1,IEC 61000-6-2,IEC 60601-1-2
伝導性無線周波数電磁界試験の目的
周波数範囲150kHz~80MHzの無線周波(RF)送信機から到来する放射電磁界によって誘導された伝導妨害に対する電気・電子装置(以降、EUTと記す)の耐性を定量的に確認することです。
試験方法
規定された無線周波電磁界(以降、伝導ノイズと記す)を発生することができる試験システムを用いて試験します。
試験システムは、通常、信号発生器(SG)、広帯域パワーアンプ、方向性結合器、パワーメータ & センサ、アッテネータ(ATT)、結合デバイス(CDN、クランプ等)、および制御用PCで構成され、下図のようにEUTに接続されるケーブルに対して印加(重畳)します。
測定時の構成
印加の方法は大きく分けて3種類(CDN印加、クランプ印加、直接印加)あり一般的には、下図にあるようにCDN印加及びクランプ印加が多く用いられます。
CDN印加(電源ポートの場合)
CDN内部回路の例(単相3線用)
クランプ印加(信号ポートの場合)
EMクランプ

電流クランプ

印加対象ケーブルを挟み込んで印加します。
合否の判定
合否の判定は規格や製造者によって規定された性能判定基準を基にして行います。
試験レベル
特にクラス区分はなく、適用する規格に試験レベルが規定されています。
試験レベル | 試験レベル(e.m.f.) | |
---|---|---|
V | dB(µV) | |
1 | 1 | 120 |
2 | 3 | 129.5 |
3 | 10 | 140 |
Xa | 特殊 |
試験周波数 | a. 掃引 | 0.15 MHz~80 MHz | ||
---|---|---|---|---|
b. 追加のスポット | b. 0.2 MHz, 1 MHz, 7.1 MHz, 13.56 MHz, 21 MHz, 27.12 MHz, 40.68 MHz(周波数精度±1 %) | |||
a. :全ての機器に適用 b. :電話機能を主機能とする機器 |
||||
試験レベル | 周波数 [MHz] | 0.15~10 | 10~30 | 30~80 |
試験レベル [V] (無変調のrmsレベル) |
3 | 3~1※ | 1 | |
※:周波数 (対数) に対して直線的に変化 | ||||
変調 | AM 1 kHz 80% | 規格によりに1 kHz 以外の周波数が許可されている場合、1 kHz 以外の周波数を用いても良く、その選択の理由は試験報告書に記載しなければならない。 (例:規格書 附属 G.3.1_例えば、1 kHz がEUT の動作オーディオレンジの範囲外である場合、与えられたEUT に更に適したオーディオ変調周波数に置き換えてもよい) |
||
周波数間隔 (掃引のみ) |
1% (or 4%) | 1 %の間隔が好ましいが、試験レベルを規定の2 倍の値にした上で、前の周波数の4 %を超えない範囲で周波数掃引を行うことができる。その際の間隔及び試験レベルは試験報告書に記録しなければならない。 | ||
滞留時間 | 5s 以内 | EUT が動作し応答可能となる必要時間を下回ってはならない。但し、掃引時の各周波数で、滞留時間は5 秒を超えるべきではない。 | ||
その他 | 注入クランプ | EM クランプ及び電流クランプを使用する際、AE を保護するために追加の絶縁装置(減結合)が必要となることがある。 |
性能判定基準
判定基準 | 内容 |
---|---|
A | 試験中および試験後に、機器が意図したように動作し続けなければならない。 機器を意図した方法で使用した場合に、製造業者が規定した性能レベル以下への性能低下、または機能喪失は許されない。 この性能レベルは許される性能喪失と言い換えてもよい。 もし、最小の性能レベルまたは許容される性能喪失が製造業者によって規定されていない場合は、製品説明書および製品文書、 ならびに機器を意図した方法で使用したときに、使用者が当然期待する性能から、これらのどちらかを導き出してもよい。 |
試験配置(イメージ)
電源ポートへの印加(CDN印加)
信号ポートへの印加(クランプ印加)
伝導性無線周波数電磁界試験が可能な弊社設備
木更津サイト | 幸田サイト | |
---|---|---|
サイト寸法 (奥行×幅×高さ) [m] |
10.0 × 7.0 × 3.0 | 8.0 × 6.0 × 2.7 |
シールド性能 電界 150kHz~30MHz 平面波 30MHz~1GHz |
100dB以上 | 100dB以上 |
100dB以上 | 100dB以上 | |
最大電源供給能力 | 単相 4kVA | 単相 2kVA |
主な対応規格 | 設備、対応範囲 |
---|---|
IEC 61000-4-6 |
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