放射妨害
測定の概要
放射妨害測定を要求する主な規格
CISPR 11, CISPR 14-1, CISPR 32, IEC 61000-6-3, IEC 61000-6-4, IEC 60601-1-2, FCC part 15(ANSI C63.4), ICES-003, CISPRJ 32
放射妨害測定の目的
30MHzから40GHzの周波数範囲において、電気・電子装置(以降、EUTと記す)から放射される電磁波(高周波ノイズ)を測定により数値化し規定の限度値と比較します。
測定方法
測定場所はオープンエリアテストサイトまたは電波暗室を使用する。測定用アンテナを用い、電気・電子装置から放射される電磁波をEMIレシーバーで測定します。
電磁波の大きさは、電気・電子装置とアンテナの位置関係によって複雑に変動するため、EUTを回転させ、またアンテナの高さを変化させて、電磁波が最大となるポイントを探す必要があります。
測定時の構成
EUTから放射される電磁波を受信アンテナにより受信、プリアンプを介し測定器に送り測定を行います。
合否の判定
合否の判定は法律や規格によって規定された限度値と比較することにより行います。
クラス分類(CISPR 32の例)
放送受信機からの距離に応じた、機器の使用環境によりクラス分類され、それぞれ限度値が規定されています。
| クラス | 概要 |
|---|---|
| A | クラスB機器に該当しないその他の機器 |
| B | 主に住環境で使用するための機器（放送受信機はクラスB機器） |
放射妨害限度値（CISPR 32規格の例）
クラスAに対しクラスBの限度値は、最大で10dB程厳しくなっています。
| クラス | 測定距離 | 検波 | 限度値 | |
|---|---|---|---|---|
| 30-230MHz | 230-1000MHz | |||
| A | 3m | 準尖頭値(120kHz) | (50dBμV/m) | (57dBμV/m) |
| 10m | 40dBμV/m | 47dBμV/m | ||
| B | 3m | (40dBμV/m) | (47dBμV/m) | |
| 10m | 30dBμV/m | 37dBμV/m | ||
| クラス | 測定距離 | 検波(RBW) | 限度値 | |
|---|---|---|---|---|
| 1-3GHz | 3-6GHz | |||
| A | 3m | 尖頭値(1MHz) | 76dBμV/m | 80dBμV/m |
| 平均値(1MHz) | 56dBμV/m | 60dBμV/m | ||
| B | 尖頭値(1MHz) | 70dBμV/m | 74dBμV/m | |
| 平均値(1MHz) | 50dBμV/m | 54dBμV/m | ||
試験配置（イメージ）
測定の対象となるEUTはターンテーブル上の決められた高さに配置します。また、機器間の距離及びケーブルの取扱い等も規格で定められています。
放射妨害測定が可能な弊社設備
| 木更津サイト | 幸田サイト | |
|---|---|---|
| サイト寸法 (奥行×幅×高さ) [m] |
29.5 × 20.0 × 11.6 | 22.1 × 14.8 × 8.6 |
| ターンテーブル直径 (積載重量) | デュアルタイプ | デュアルタイプ |
| 4m (2.5t) / 2m (0.5t) | 3m (2.0t) / 1m (1.0t) | |
| 減衰特性 | ±2.0dB以内 | ±4.0dB以内 |
| 最大電源供給能力 | 単相 4kVA | 単相 6kVA |
| 主な対応規格 | 設備、対応範囲 |
|---|---|
| CISPR 11, CISPR 14-1, CISPR 32, VCCI CISPR 32, CISPRJ 32,IEC 61000-6-3, IEC 61000-6-4,IEC 61326-1, IEC 60601-1-2,電気用品安全法, FCC part 15 subpart B |
|
